頭頸部がんユニット 診療案内

Medical
Information

頭頸部がんは日本人のがん全体の約3%を占め、年間約33,000人(甲状腺がんを除く)が罹患しています。近年、特に口腔がん、咽頭がんの罹患数が増加傾向にありますが、これらの治療においては、根治性に加え嚥下や発声などの機能温存が求められます。
治療の多様化に伴い、診療科横断的な対応が必要となっており、頭頸部がんユニットでは、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、放射線治療科、腫瘍内科、放射線診断科の医師が協力し、各患者さんに最適な治療法を提案します。

診療案内

  • 頭頸部がんは口腔、咽頭、喉頭、鼻・副鼻腔、唾液腺、甲状腺などの頭頸部臓器に生じたがんの総称です。
  • 頭頸部臓器は、嚥下、発声、呼吸などの生命維持、および生活の質(QOL)の維持のために欠かせない臓器ですが、がんの進行あるいは治療によりこれらの機能が重大な障害を受けることがあります。
  • 頭頸部がんの治療においては、根治性を担保しつつ、いかに頭頸部臓器の機能を温存するかが課題となり、そのためには外科治療、放射線治療、薬物治療を適切に組み合わせる必要があります。
  • 頭頸部がんユニットでは、甲状腺がん以外の頭頸部がんを対象に、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、放射線治療科、腫瘍内科、放射線診断科の医師が協力し、各患者さんに最適な治療法を提案します。

診療活動

手術治療

  • 早期咽喉頭がんに対しては経口的ロボット支援手術を含めた内視鏡下手術を積極的に行っています。
  • 従来開頭や顔面切開が必要であった鼻副鼻腔癌に対して、内視鏡下経鼻手術を積極的に行っています。
  • 進行がんに対しては、術後の嚥下機能・咬合機能の維持を図り、形成外科、口腔外科、消化器外科と協力して拡大切除・再建手術を行っています。

放射線治療

  • IMRT(強度変調放射線治療)や定位放射線治療などの高精度放射線治療を積極的に使用し、副作用を軽減しながら、より効果的な放射線治療を行っています。

薬物治療

  • 患者さんの状態に合わせ、最適な薬物治療を提案するとともに、慎重に副作用管理を行います。

その他

  • 標準治療が困難な病変に対しては、2週間程度の期間で行う緩和的定位放射線治療や光免疫治療を検討します。
  • 摂食嚥下診療センターの協力のもと、頭頸部癌患者だけを対象とした栄養サポートチームを設置し、入院前から退院後まで栄養管理を行っています。

ユニットメンバ-リスト(2024年5月)

●ユニット長 ※教授

  • ● 岸本 曜耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • ※ 大森 孝一耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 末廣 篤耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 濵口 清海耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 児嶋 剛耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 本多 啓吾耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 河合 良隆耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 鈴木 千晶耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 藤村 真太郎耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 野村 基雄腫瘍内科
  • 子安 翔放射線診断科
  • 中島 良太放射線診断科
  • 中嶋 綾放射線診断科
  • 平岡 伸也放射線診断科
  • 吉村通央放射線診断科