食習慣の変化や前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA検査の普及等に伴い前立腺がん患者数は増加し、本邦でも男性における予測罹患患者数第一位の悪性腫瘍になっています。前立腺がん症例の増加と治療手段の多様化に応えるため、当ユニットでは泌尿器科医と放射線治療医が合同で診療を行い、豊富な経験を基に最先端の診断技術や治療技術を駆使することで各患者さんの病状や希望を考慮した最適な治療を提供しています。
診療案内
- 近年、前立腺がん診療では患者数の急増に加え、治療オプションの多様化により、診療科の垣根を越えたよりきめ細かい集学的診療体系が求められています。
- この様なニーズに応えるため、私たちは他科や諸施設に先駆け2003年に泌尿器科と放射線治療科が協働して前立腺がんの患者さんを診察する日本初のユニット外来を開設し、2023年には20周年を迎えました。
- 毎週水曜日に泌尿器科医と放射線治療医が合同で診療を行い、最先端の診断技術や治療技術を駆使することにより各患者さんの病状や希望を考慮した治療を提供しております。
- 画像診断科、病理部門とも定期的にカンファレンスを行い、集学的なアプローチで診療を行う体制を整えております。
- 詳細は当院発行の前立腺がんユニット特集号をご参照ください。
(https://www.urology.kuhp.kyoto-u.ac.jp/general/sick/prostate-cancer.html) - 当院では2023年11月より68Ga-PSMA-11を用いたPSMA-PET検査を開始しました。再発・転移病変をより正確に検出できる最新の画像検査ですが、本邦ではまだ保険診療として認められておらず自費診療として提供しています。
詳細は下記案内をご参照下さい。
(https://www.cancer.kuhp.kyoto-u.ac.jp/cms/wp-content/uploads/2025/04/68Ga-PSMA-11_PET.pdf)

診療活動
以下の診療活動を行っております。
- MRI画像情報と超音波画像を融合させたリアルタイムガイド下前立腺生検(MR fusion生検)による正確な組織学的診断。
- 最先端のMRI技術(全身MRI)やPSMA-PET検査を用いた高度画像診断による正確な病状把握。
- 患者さん毎のQOLに応じた最適な治療法の提示。
- 諸施設に先駆けて導入した手術支援ロボットシステムを用いた、低侵襲な前立腺手術の提供(現在、3機種を使用)。
- 強度変調放射線治療(IMRT)になどによる短期間かつ合併症の少ない放射線治療の提供。
- 新規抗がん剤、ホルモン剤、放射性同位元素などを用いた進行性前立腺がんに対する集学的治療。
- 新規薬剤や医療機器を用いた前立腺がんに対する先端的臨床試験の実施。
- 前立腺がん診療ガイドライン作成、医師主導臨床試験への参加などによる、本邦における前立腺がんの治療指針構築への貢献。
- 前立腺がんに関するセカンドオピニオンの提示。

前立腺がんユニットメンバ-リスト(2025年4月)
●ユニット長 ※教授
- ● 後藤 崇之泌尿器科
- 住吉 崇幸泌尿器科
- 水野 桂泌尿器科
- 濵田 彬弘泌尿器科
- ※ 溝脇 尚志放射線治療科
- 相澤 理人放射線治療科
- 緒方 隆司放射線治療科