食道がんユニット 診療案内

Medical
Information

食道がんユニットは、消化管外科、消化器内科、放射線治療科、腫瘍内科、耳鼻科・頭頸部外科の各専門医で構成され、京都大学を受診された全ての食道がん患者さんそれぞれの病状に応じた最適な治療方針についての検討を行っています。
科学的根拠に基づいた標準治療の実践を心がける一方で、JCOG等の臨床研究への参加を通じて新しい治療法の開発にも積極的に取り組んでいます。

診療案内

臨床病期、併存症、診療ガイドラインに基づき、下記の様に提案しています。

内視鏡治療可能な患者さんへは内視鏡治療を、局所進行がんで手術可能な患者さんには手術を中心とした治療及び、胃・食道温存を目指した化学放射線療法について、ご説明しています。食道切除及び食道温存治療のメリット、デメリットをご理解頂いた上で、ご本人のご希望に沿った治療を行っています。局所進行がんで、手術で完全に切除することが難しい患者さんに対しては化学放射線療法による根治治療を行っています。遠隔臓器転移・再発を来した場合など化学療法(抗がん剤治療)が必要な症例については、外来化学療法室を活用して外来ベースの化学療法を中心に行っております。必要時には近隣病院や開業医の先生方と連携し、在宅医療や緩和ケアの導入ができるような体制を作っています。

診療活動

当院を受診される食道がん患者さんについては、2007年より消化管外科、消化器内科、放射線治療科、腫瘍内科、耳鼻科・頭頸部外科の各専門医が全員参加するカンファレンス(毎週水曜日 AM8:00~9:00及び PM1:00~14:00)にて臨床病期診断を行い、患者さん毎に提案する治療方針を決定しています。特定診療科の検討のみで、患者さんの診療方針を決定しないことが大きな特徴です。希少癌である食道癌の診療に精通した各科医師(日本食道学会認定の食道外科専門医2名、食道科認定医7名、評議員5名)が、診療ガイドラインを基本として、併存症、患者さんのご意向を加味した上で、治療方針を提案しています。

※水曜日を初診で受診される場合には、午前中に受診していただき、各種検査を行ってから治療方針を決定しています。

  1. 早期の食道がんに対して、体への負担の少ない内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行います。内視鏡治療のみで治癒が難しい場合は追加治療(化学放射線療法、手術)を行い、根治を目指します。
  2. 胸部食道がんに対する手術では、胸腔鏡、腹腔鏡を用い、体にやさしく、かつ正確で緻密な手術を提供しています。2018年よりDa Vinci Xiやhinotoriを用いたロボット手術を通常保険診療として行っています。
  3. 頸部食道がん、胸部食道がんに対しては脊髄、肺、心臓など正常臓器への被曝を軽減し、がん病巣へ放射線線量を集中出来る強度変調放射線治療(IMRT)を実施しています。臓器温存(喉頭、胃・食道)と根治を両立させうる化学放射線療法にも取り組んでいます。通常は通院で(化学)放射線療法をうけて頂きますが、遠方にお住まいの患者さんの場合、入院で放射線治療をうけることも可能です。
  4. 化学放射線療法後の食道内再発に対しては、内視鏡的切除や光線力学療法による食道温存と根治を追求しています。難しい場合は救済手術(サルベージ手術)をロボットあるいは胸腔鏡下に行い、根治を目指していきます。
  5. 化学療法(抗がん剤治療)は、根治を目指す集学的治療の一環として、手術と併用(補助化学療法)したり放射線治療と併用(化学放射線療法)したりする場合と、生活の質を保つために腫瘍縮小による症状の緩和や病勢制御による生存期間延長を目指す、「がんと共に、がんに負けず、元気で長生き」を目指していく場合(緩和的化学療法)があります。

食道がんユニットメンバ-リスト(2024年11月)

●ユニット長 ※教授

  • ● 角田 茂消化管外科
  • ※ 小濱 和貴消化管外科
  • 奥村 慎太郎消化管外科
  • 久森 重夫消化管外科
  • 錦織 達人消化管外科
  • 二階堂 光洋消化器内科
  • 岸本 曜耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • ※ 武藤 学腫瘍内科
  • 大橋 真也腫瘍内科
  • 玉置 将司腫瘍内科
  • 堅田 親利腫瘍内科
  • 野村 基雄腫瘍内科
  • 横山 顕礼腫瘍内科
  • 坂中 克行放射線治療科
  • 鳴神 諒放射線治療科
  • 平岡 伸也放射線治療科