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クリニカルシーケンスユニット 診療案内

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患者さんのがん組織の遺伝子(ゲノム)情報をもとに効果の期待出来る治療法を選択する方法は「がんゲノム医療」と呼ばれます。2018年に4月にがんゲノム医療の提供を推進するため、11の施設が「がんゲノム医療中核拠点病院」に選定され、当院もその一つに選ばれました。がんゲノム医療ではがん組織で起こっている遺伝子変化の情報を得るためにがん遺伝子パネルと呼ばれる検査を用います。 当院では2015年4月より、原発不明がん、希少がん、標準治療が効かなくなったがんの患者さんを対象に、自費診療としてがん遺伝子パネル検査(OncoPrimeTM)を導入してきましたが、2018年度より国立がんセンターが開発したNCC オンコパネル検査が先進医療Bとしても実施可能となりました。がん遺伝子パネル検査では手術や生検等で採取されたがん組織が必要ですが、検査に用いることのできるがん組織を準備できない患者さんに対しては血液中にあるがん組織由来の遺伝子変異を調べる検査(Guardant liquid biopsy)を自費診療として提供しています。がん組織を用いた検査と比べると調べることのできる遺伝子数は少なくなりますが、体への侵襲が少なく、結果返却も早いというメリットがあります。 がん遺伝子パネル検査の流れは以下の通りです。 上図に示しますように、クリニカルシーケンスユニットではがん薬物療法、がんゲノム、臨床遺伝の専門家、病理医、バイオインフォマティシャン、認定遺伝カウンセラーなど多職種の専門家が集まり、がん遺伝子パネル検査で得られた情報に基づき、患者さんに適した治験や治療薬がないか検討を行います。ただし、がん遺伝子パネル検査の結果に基いた治療の多くは、適応外の薬剤の場合場合が多く、その治療費は自費診療となります。 また、実際に治療にたどり着ける患者さんは10-15%程度です。さらに、がん遺伝子パネル検査を行うことにより、患者さんご本人に加えて血縁者(兄弟、子、孫)の健康に関して重要と考えられる、生まれつき持っている遺伝子変異が判明する可能性が数%あります。このような結果は二次的所見と呼ばれますが、その結果を知ることで、今後発症するかもしれない病気の早期発見・早期治療等に役に立つ可能性がある一方、知ってしまったことで、あなたやあなたの家族が不安や精神的負担を感じる可能性もあります。 この二次的所見についてもクリニカルシーケンスユニットで検討を行い、臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーと連携を密にして慎重な対応を行っています。

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